旗揚げ戦 ―2012年6月30日―
試合前セレモニー。リング上に選手は現れず、CEOのウンベルト・ジョルジュアーニが挨拶。
これは御伽桟敷の性格を示す為との事。最も客に見せたいものはリング上で試合をするレスラー、というコンセプトから。
レフリーの寺山キャロリンと、CEOの秘書を務めるジェシーが紹介された。
「今日は五百人ものお客さんが来てくれて満員だ。ありがとう、日本の友達!」
客席から“ハゲー、ハゲー”の歓声が飛び交うが、CEOはクールにやり過ごす。
「この団体は、紛れもなく日本の土壌から生まれた団体なのです!」
反応に困る熱弁に観客も押し黙った。
第一試合:白浜樹里 VS 山吹響子
既に風格あふれる入場シーンを見せつけた白浜。最年長としての余裕かもしれない。
対する山吹は柔道とレスリングを背景に持つ選手。
じっくりと組み合うレスリングで始まり、ショルダーアタックで時に激しさも見せていく。
力強さを感じさせる展開から、山吹は大外刈りの連発で白浜にダメージを負わせた。
だが、白浜は山吹の攻撃をしのぎ、スタミナ切れを誘う。
ボディスラム、ドロップキックと攻めたて、ジャンピングネックブリ―カ―を炸裂させた。
押さえ込まれた山吹は跳ね返す力を残しておらず、予想に反し白浜が3カウントを奪い勝利した。
○白浜樹里(6分23秒 片エビ固め)山吹響子×
第二試合:乙瀬深雪 VS 桐谷かすみ
キックボクシングの経験を持つ乙瀬は、至って静かに入場。
桐谷は明るいキャラクターを感じさせる、対照的な入場スタイルである。
打点の高い桐谷のドロップキックは、場内をどよめかせた。
共に跳躍力のある動きを見せ、派手な展開となった。二人はほとんど組み合わず、飛び技の応酬が繰り広げられる。
乙瀬の飛び膝蹴りがヒットし、桐谷はダウン。
スリーパーホールドで乙瀬が絞め上げる。桐谷はそのまま失神。
レフリーはすぐさま試合を止めたが、最後のスリーパーがチョークの反則ではないかと、試合後に審議された。
○乙瀬深雪(8分38秒 スリーパーホールド)桐谷かすみ×
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