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新月シリーズ幕間 ―2012年7月21日―


この日は地域の夏祭りに招待された特別興行である。
「日本のフェスティバルは初めてだよ」
興奮を隠せないCEOは記念写真を撮りまくる。
巨大な太鼓を乗せた山車を発見し、大はしゃぎだ。

特設ステージでは地元の高校生らが、カラオケ大会で大盛り上がり。
熱気も最高潮という所で、いよいよ試合の開始である。
「やあ、日本の友だち! 実に素晴らしいフェスティバルで、僕も興奮している所だ。だけど御伽桟敷のプロレスが、もっと盛り上げて一生忘れられない夏にさせるよ!」
CEOの挨拶に、まばらな拍手。しかし笑顔は絶やさず、本日の試合は太鼓をゴング代りに使う事が宣言された。

第一試合:松田琉菜 VS 寺山キャロリン


この地域でプロレスサークルに加入していたレフリーの寺山キャロリンが、レスラーとして限定復活。
当時のリングネームはティグレス寺山だったとか。
対戦相手に松田琉菜、特別レフリーに大石リナを迎えての一戦。
入場するや否や、寺山へ大きな声援が送られた。

試合は基本技の応酬が繰り返された。
寺山が自らロープへ飛び、フライングボディアタックを決めると、現役当時を覚えている客から歓声が上がった。
ティグレス・アタックという名称で、彼女の決め技だったとか。

最後は関節の取り合いから松田の脇固めが決まり、寺山はギブアップ。
だが、サークル時代と変わらない奮闘ぶりに拍手が送られた。

○松田琉菜(5分40秒 脇固め)寺山キャロリン×

スペシャルトークショウ


CEOのウンベルト、秘書のジェシー、大石リナの3人がトークショウを行った。
「え、こういう椅子しかないの? リングが痛まないかなあ」
CEOの心配をよそにトークは盛り上がった。
大石がトーナメントへ参加した時の裏話や、女子プロレス団体の在り方、御伽桟敷を立ち上げるまでの苦労話など、ジョークまじりに話していく。
「来年も、このフェスティバルにやって来るぞ!」
CEOの掛け声に、またもやまばらな拍手で客席は応えてくれた。

第二試合(メイン):雨宮佑香&白浜樹里 VS 犀川あやめ&乙瀬深雪


メインイベントは団体の中核をなすと言ってもいい四人によるタッグマッチ。
犀川と乙瀬の「打撃コンビ」が序盤から雨宮を蹴りまくる。
ダブルの攻撃も見せ、蹴りに対処できない雨宮は大ダメージを喰らってしまった。

代りに活躍したのが白浜だった。
ショルダータックル、エアプレーンスピンと力技で押し切る。
最後は雨宮と白浜の連係プレイ。
白浜のジャンピングネックブリ―カ―から雨宮のスタナーが、続けざまに乙瀬へ決まる。
ショルダータックルで白浜が犀川を止めている間に、雨宮が3カウントを奪った。

○雨宮&白浜(13分23秒 片エビ固め)犀川&乙瀬×