えんおうシリーズ第三戦 ―2014年02月02日―
第三試合:白浜樹里 VS 乙瀬深雪
山吹とのタッグチームが勢いを増している乙瀬は、前シリーズでフォールを奪った白浜と、シングルで対戦。
得意の打撃で押し込んだものの、飛び膝蹴りを直前でかわされ、そのままマットへ叩きつけられる。
そこから白浜が、強引にエビ固め。タッグマッチでの借りを返される結果に。
最後は相手のパワーに屈したものの、シングルでもトップ戦線にいる事を証明した試合であった。
○白浜樹里(12分22秒 エビ固め)乙瀬深雪×
第四試合:ザビーネ・クライバー VS 犀川あやめ
後輩の若木にも敗れ、今シリーズは調子を落としている犀川。
安定した結果を出せない面に批判もあるが、ザビーネとのシングルマッチは、意外にも犀川が先手を打つ。
距離を保ち、ザビーネと組み合う事を拒否。近づけないザビーネが、途中で苛立ちを見せる場面も。
タイミングを見計らい、犀川が掌底を炸裂させる。
まともに喰らったザビーネは、大の字になりダウン。
見た事のないザビーネの姿に、会場が一気に沸き上がった。
カウント9で起き上ったザビーネは、ふらふらの状態で、蹴りを受け続ける。
犀川の勝利を確信する様な声すら、客席から上がっていたが、一瞬の油断で逆転を許してしまった。
蹴り足をつかんだザビーネは、浴びせ倒しながら、犀川の軸足を払いのける。
なだれ込む様に倒れた両者だが、ザビーネはそのままフロントスリーパーの体勢へ。
片一方の脚をフックされ、動きを止められた犀川は、無念のギブアップ。
勝ち名乗りもそこそこに、ザビーネはリングを後にした。
○ザビーネ・クライバー(09分54秒 リバース・バイパー・ホールド)犀川あやめ×
第五試合(メイン):雨宮佑香 VS 若木真衣
犀川に勝利し、白浜をも追い詰めた若木真衣は、三戦連続でメインを務める。
エースである雨宮との対決は、結果をも期待されていた。
だが、ゴングと同時に飛び出したのは、雨宮の方。
スピアーをいきなり決めると、エルボーの乱打で、若木をダウンさせた。
若木が反撃をさせる間も与えず、雨宮はスタナーで一気に勝負をかけた。
この一発で、事実上、試合は終わったと言ってもいい。
立ち上がるのもやっとの若木に、雨宮は、フロントキックで挑発的に追撃。
まともに勝負をさせてもらえない若木は、力の無い蹴りを繰り出すのが、やっと。
雨宮のランニング・エルボーで、マットへ叩きつけられる様に倒れ込んだ。
レフリーが、ダウンカウントを数えるが、もはや立ち上がる気力すら見えてこない。
若木は、屈辱のテンカウントを聞いた。
一方的な幕切れに、観客も呆然する中、大石がリング上へ。
「こんな試合をする選手を、エースとは認めない!」
大石の声には、怒りが込められていた。
だが、それだけでは終わらなかった。
「次の大会で、雨宮選手と闘うのですが、それが最後になるでしょう。私は、6月で引退します」
客席から、どよめきが起こった。
「6月までに、所属選手全員と闘います。負けるつもりは、ありません。しかし、私に勝った者が、エースとして、ベルトを取り戻して欲しい。そのエースが、雨宮選手になる事は、ないでしょう」
○雨宮佑香(05分35秒 KO)若木真衣×
☆その他の試合……
第一試合:桐谷かすみ VS 葉月沙弥子
両者ともに、飛び技へこだわる試合となった。
セントーンでダメージを与えてから、ロメロスペシャルを決め、桐谷が勝利。
第一試合から盛り上げたものの、大味な試合となったのは否めない。
○桐谷かすみ(10分29秒 ロメロスペシャル)葉月沙弥子×
第二試合:大石リナ&山吹響子 VS 三枝宮&奥山咲恵
タッグマッチを初めて体験する、三枝と奥山。それも、互いにチームを組むのだから、困惑する場面も見られた。
三枝が、ローリングソバットを決めたのが、唯一の見せ場。
最後は、山吹が奥山を、ガッチリと押さえ込み、フォールを奪った。
大石リナ&○山吹響子(11分46秒 体固め)三枝宮&奥山咲恵×