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えんおうシリーズ開幕戦 ―2014年01月19日(※2014年01月22日録画放送)―


オープニングでは、CEOと秘書のジュリーが、三年目の抱負を語った。
「今日は三期生の、三枝と奥山もデビューする。三枝は、これまで最年少だった、雨宮と山吹よりも若い。一期生も歳を取ってきたって所かな、ははは。ジュリー、睨まないでくれよ」
ここまで、観客の反応なし。
「御伽桟敷も、選手が増えてきたから、より大きな物語を求められるかと思う。海外で、僕らのベルトが、勝手に防衛戦を行われてるんだけど、まず奪い返さないとね。とはいえ、向こうが来るのを待ってはいられない。アメリカのインディーズから、埋もれた選手たちを集め、大会を開く事にする。年に一度、ローガベルトを奪う機会が、誰にでも来る訳だ。あのベルトは、インディーズの象徴となる!」
CEOが勢いよく、マイクを叩きつけ、両腕を上げ、客席へアピール。少量の拍手が送られた。
「……うん、まだ、時期も未定だし、君たちには話が理解できなかったかな? じゃあ、ここでショウタイム。ジュリー、頼むよ」
秘書のジュリーが、傘でバレーボールを回し始める。会場は、厳かな雰囲気に包まれた。

第二試合 御伽桟敷三期生デビュー戦:三枝宮 VS 奥山咲恵


三期生のデビュー戦は、三枝に注目が集まっていた。
陸上競技と水泳で、学生時代は好成績を残した三枝は、競泳水着で登場。
一方、ボクシングと相撲を練習していたという奥山は、線の細さが危惧されていたが、気合十分にリング上へ。

開始早々、三枝のローリングソバットが的中。
力強いドロップキックも披露し、身体能力の高さが、うかがえた。
奥山は気合で突っ込んでいくものの、三枝の動きについていく事が出来ない。

だが、奥山も、小手投げを繰り出すなど、見せ場を作った。
レスリングの基本に忠実な動きも身につけており、得意とする相撲の動きを活かせれば、独自のポジションを得られるかもしれない。

最後は、ドロップキックの連打で動きを止められた奥山を、三枝がフォール。
鮮やかなブリッジで、ジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールドを決め、観客から歓声を引き出した。
デビュー戦は、三枝の身体能力が、勝因といえる。しかし、奥山の個性的なレスリングも、今後に期待を持たせるものであった。

○三枝宮(06分57秒 ジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド)奥山咲恵×

第四試合(メイン):犀川あやめ VS 若木真衣


タッグチーム、パートナー同士の闘いがテーマである開幕戦。
メインを務めたのは、犀川と、第二代初音御前に輝いた若木の、シングルマッチである。
一年間で大きな成長を遂げた若木は、「尊敬する犀川先輩でも、負ける気は無い」と、序盤からキックの嵐。
犀川が、まるで対応できず、蹴り倒される姿に、客席からは驚きの声が上がった。

だが、犀川は、プロレスの動きにこだわった。
フェイスバスターから、ボディシザースドロップで反撃。
蹴りに頼らなくとも、主導権を握れる事を、若木へ示すかのようだった。

しかし、若木も、蹴りだけに頼ってはいなかった。
新人王決定戦でも見せた、水車落としを、タイミングよく決める。
マットに落とされた犀川は、大きなダメージを負ったらしく、ここから動きが鈍くなった。

蹴りと掌底のラッシュで、犀川はKO寸前まで追い込められる。
もはや防御をする事も出来ず、ダウンを拒否するのが、やっとの状態。
犀川の反撃を願う、悲鳴の様な声援まで飛んだ。

若木が、ボディへの膝蹴りを連打で決めると、犀川の動きが完全に止まる。
さすがに、ここで、レフリーがゴングを要請。
若木の、完全KO勝利といっても良い結果に、客席からは驚きと歓声が、同時に飛び出した。
パートナー対決ではあるものの、トップ選手である犀川を、メインで下した意義は大きい。

×犀川あやめ(13分16秒 TKO)若木真衣○
☆その他の試合……

第一試合:乙瀬深雪 VS 山吹響子

開幕試合は、プロレスのお手本ともいえる展開となった。
互いに得意とする、グラウンドと打撃に、両者とも逃げずに付き合う、スピーディな試合に。
最後は、乙瀬が、跳び膝蹴りから、エビ固めで強引に押し込み、勝利。
短い時間の中で、チョーク攻撃や場外乱闘も見せるなど、乙瀬はプロレスの技量を着実に広げていた。

○乙瀬深雪(08分30秒 エビ固め)山吹響子×

第三試合:雨宮佑香&葉月沙弥子 VS 白浜樹里&桐谷かすみ

新人王戦で敗れた葉月だが、雨宮とのタッグで、脚を引っ張る訳にはいかないと、気分を一新。
積極的に攻めてゆくものの、「チームバナナを大きくする為には、私が動かなければ」という桐谷が、タッグ屋の本領を発揮。
雨宮の粘りに苦戦したものの、葉月を孤立させ、最後はロメロ・スペシャルでギブアップ勝利。

雨宮佑香&×葉月沙弥子(15分47秒 ロメロ・スペシャル)白浜樹里&桐谷かすみ○