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百代シリーズ開幕戦 ―2013年09月22日―(※2013年09月23日、録画放送)


「このシリーズから、御伽桟敷にも、チャンピオンというのが存在する事になった。選手たちは、新しい動きを、必然的に求められるだろう。さて……」
開幕の挨拶が終わり、CEOは一緒に入場してきた女性を紹介する。
「ジェシーが、まだ帰ってこないんだよ。だから臨時に秘書を雇う事にした。えーと、君の名前は、何だっけ?」
「ジュ、ジュリーです……」
「ありがとう、ジュリー! 秘書の仕事、頑張ってくれよ」
観客は、拍手をする事も忘れ、静寂を保ち続けていた。

第一試合:ナスターシャ VS エクセレント・チカ


昨年に続き、地元の高校生レスラーが、御伽桟敷のリングへ上がった。
打撃無し、パイルドライバー等の落下技禁止、という特別試合ながら、プロとの対戦。
しかも、ナスターシャは現役の教師である。
ナスターシャは、この試合の為だけに来日とあって、CEO自ら連絡して呼び寄せたという記者の数は、8人。
注目度の高さがうかがえた。

試合は、グラウンドの攻防が続いたものの、レスリング技術で上回ったのは、高校生の方だった。
ナスターシャの押さえ込まれる展開が続き、最後は、がっちりと片エビ固めで、エクセレント・チカの勝利。
高校生が、プロを押さえ込んだ事に加え、教師にも勝った結果に、場内は第一試合から盛り上がりを見せた。

×ナスターシャ(08分34秒 片エビ固め)エクセレント・チカ○

第二試合:乙瀬深雪&若木真衣 VS 雨宮佑香&葉月沙弥子


エースの座から転落してしまった雨宮は、自ら二試合出場を直訴。序盤から全力で攻め立てた。
エルボーの連打で若木を吹き飛ばし、乙瀬の蹴りにもひるまず、不慣れなガード技術も披露。

だが試合は、同じ様に、これ以上落ちたくはない乙瀬が決めた。
初披露のDDT一発で、葉月をフォール。
雨宮と乙瀬、両者とも好調なアピール出来た試合といえる。

○乙瀬深雪&若木真衣(12分26秒 片エビ固め)雨宮佑香&葉月沙弥子×

第三試合:桐谷かすみ VS 山吹響子


前シリーズからの因縁があると、桐谷が勝手に主張している、両者のシングルマッチは、 グラウンドと飛び技が交差する、意外な好勝負となった。
場外から戻ろうとする桐谷へ、山吹が突進した所を見計らい、ロープ越しの回転エビ固め。
これが決め手となり、3カウント決着。桐谷は「初音御前を防衛した」と息巻いた。

○桐谷かすみ(15分10秒 回転エビ固め)山吹響子×

第四試合:雨宮佑香 VS ブラック・ハンザ


本日、二試合目の雨宮は、サブミッションの使い手、ブラック・ハンザと対戦。
序盤から全力で向かうも、グラウンドでスタミナを奪われる。
胴締めスリーパーで、あわや、という場面も見られたが、何とかロープへ逃れた。

耐え抜いた雨宮は、一気に反撃を開始。
初披露のスピアーで、ハンザをマットに叩きつけると、威力の大きさに客席がざわつく。
最後はスタナーを炸裂させ、3カウントを奪った。

○雨宮佑香(10分41秒 体固め)ブラック・ハンザ×

第五試合:大石リナ&白浜樹里 VS ザビーネ・クライバー&犀川あやめ


トーナメント決勝を争った、大石と白浜が、メインでタッグを結成。
次期挑戦者にザビーネを迎えたい大石は、ベルトを肩にかけ、存在をアピールした。

試合の先鋒は、いきなり大石とザビーネ。
「自分を挑戦者扱いするのは、まだ早い」と語っていたザビーネは、組んだ瞬間に相手のバランスを崩し、フロントネック・チャンスリーで投げ捨てた。
技術の差を、見せ付けられた瞬間といえるだろう。

タッグの腕前も、ザビーネが上回った。
初結成の犀川を引っ張り、試合の主導権を握る。
白浜も、前シリーズの様な勢いを出させてもらえず。

トーナメントの優勝を争った二人のチームが、負ける訳にはいかないと、大石はターゲットを犀川にしぼる。
バックドロップを決め、大きなダメージを負わせた。
だが、ザビーネとの接触を避けている様に見えたのか、ブーイングを繰り出す観客も。

ザビーネに首投げを決めようと、大石が奮闘している背中で、白浜は犀川へバックフリップ。
結局、白浜が3カウントを奪い、試合には勝ったものの、ザビーネの強さが際立った展開となってしまった。

大石リナ&○白浜樹里(14分38秒 片エビ固め)ザビーネ・クライバー&犀川あやめ×