ローガ・シリーズ第三戦 ―2013年08月11日―(※2013年08月12日、録画放送)
第一試合:桐谷かすみ VS 乙瀬深雪
「消化試合と見られるのは避けたい」と、試合前に語っていた乙瀬だが、得意の蹴りも桐谷にかわされ、気合は空回り気味。
互いにけん制し合う展開となり、桐谷が隙をついて、前方回転エビ固めを狙うも、バランスが崩れてしまう。
しかし、乙瀬の片脚を離さなかった桐谷は、スタンディングクラッチの体勢で、グラウンドへ。動きのとれなくなった乙瀬は、ギブアップ。
桐谷の器用さが垣間見れる決着となったものの、残念ながら、今後に繋がるテーマは見いだせなかった試合であった。
○桐谷かすみ(08分06秒 変形スタンディングクラッチ)乙瀬深雪×
第二試合:ザビーネ・クライバー VS 松田琉菜
ナスターシャの帰国に伴い、急きょ、実現した、ザビーネと松田のシングルマッチ。
松田はラフファイトを封印し、レスリング勝負と出るが、序盤はザビーネのテクニックに翻弄される。
相手の首に手をまわすや否や、フロントネック・チャンスリー。松田の体は、弧を描いて、マットへ叩きつけられた。
松田も、リバーススラムでザビーネを叩きつけるなど、決して実力で劣っていない所を見せた。
関節技の応酬が、しばらく続くも、互いに極められず。両者、意地でロープへ逃れる事を、拒否しているかの様だった。
ザビーネの片羽絞めが、リング中央で、遂に炸裂する。
松田は体をひねって逃れようとするも、ザビーネは膝をつき、相手を座り込ませ、動きを封じた。
ロープへ手を伸ばす松田だが、一歩も近づく事は出来ず。
ギブアップこそしなかったが、反応を確認したレフリーが、試合を止めた。
○ザビーネ・クライバー(11分30秒 片羽絞め)松田琉菜×
第三試合:山吹響子&ブラック・ハンザ VS 葉月沙弥子&若木真衣
総合力では上回るであろう、山吹&ハンザ組だが、初めて組む事に加え、意思疎通の難しさもあった。
試合は、その為か、葉月&若木の後輩チームと、互角の展開を繰り広げる結果に。
試合の権利を誰が持っているのか、分からない程、4人が入り乱れたリング上。
山吹は葉月にジャーマンを、若木はハイキックでハンザを倒し、同時にフォールを要求する事態に。
レフリーは、戸惑った挙句、山吹の方へカウントを入れ、試合は終了となった。
しかし、自分に試合の権利があったと主張する若木は、レフリーに食ってかかる。
後で映像をチェックした結果、試合の権利は、山吹と若木にあったと判明したものの、試合結果は覆らなかった。
○山吹響子&ブラックハンザ(14分19秒 ジャーマン・スープレクス)葉月沙弥子×&若木真衣
第四試合:トーナメントAブロック準決勝 雨宮佑香 VS 大石リナ
良い形で二回戦を終われなかった雨宮を、「精神的に不調」と見た大石は、序盤から一方的に攻めまくる。
袈裟切りチョップを連打し、ヒッププレスまで繰り出すほど。
技の一つ一つに、普段とは違う、大石の厳しさが見てとれたのか、観客からも、ざわつきが起こっていた。
雨宮は、エルボーで局面を打開しようとするが、それも首投げで、あっさりとひっくり返されてしまう。
完全に、大石の迫力へのまれた雨宮は、ダウンカウントが始まるまで、自ら立ち上がる事も放棄していた程。
雨宮が、最後の切り札とばかりに繰り出したジャーマンは、大石が足を引っ掛けて、カット。
もはや、他の技を出す気力すら、雨宮には残されていなかった。
大石のバックドロップ一発で、試合は終了。
敗れた雨宮は、思わず、天を仰いだまま、動かず。
これで、大石とのシングル戦は三連敗。トーナメントも準決勝敗退となり、エースの座は、もろくも崩れ去ってしまった。
×雨宮佑香(09分38秒 片エビ固め)大石リナ○
第五試合:トーナメントBブロック準決勝 白浜樹里 VS 犀川あやめ
前回の対戦では、白浜の圧勝という形で終わった、両者の対決。
汚名返上とばかりに、犀川は、カウンター狙いの蹴りで、白浜を苦しめる。
トップロープから、ダイビングヒップドロップまで決めたが、3カウントへは至らず。
白浜は、意表をついて、セカンドロープからのミサイルキック。
初挑戦というだけに、不格好ではあったが、犀川の流れを断ち切る効果はあった。
相手を担ぎあげ、バックフリップの体勢へ向かう、白浜。
これだけは食わないようにと、警戒していた犀川は、重心を下げ、持ち上げられる事を、何としても拒否せんとする。
これで終わらない、気持ちの強さが、白浜の快進撃を支えているのだろう。
低い体勢のまま、白浜は、犀川を担いだまま前方へとダッシュ。
そこから、前転する形となり、やはり初挑戦だという、カナディアン・ロッキー・バスターを炸裂させた。
押しつぶされた格好の犀川は、あっさりとフォールを奪われてしまう。
昨年からの結果を通して見れば、犀川も、白浜には、シングル三連敗。かつての、両エース候補が、そろって撃沈した日と言えるだろう。
これで決勝戦の組み合わせは、大石と白浜の対決に決定した。
○白浜樹里(13分35秒 体固め)犀川あやめ×