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ローガ・シリーズ開幕戦 ―2013年07月27日―(※2013年07月28日、録画放送)


オープニングでは、CEOがトーナメントの開幕を宣言。
「このベルト、ローガを得る者は、多いなる物語の扉を開ける者である。ローガをめぐる、女たちの闘いが、いま、始まる!」
レフリーがベルトを掲げると、「逆、逆!」との声が客席から漏れる。
「そうなんだ! 普段、レフリーの彼女は、僕の左側にいるんだよ。気付いてくれたのは、常連の方だろう。ありがとう。いつものジェシーは、今日、別の仕事があるから休みでね。だけど、常連も、初めての客も、誰もが楽しめる試合になるよ」
ベルトの位置に気付かぬまま、CEOは、リングを降りた。

第一試合:トーナメントAブロック一回戦 雨宮佑香 VS 桐谷かすみ


昨年末の新人王決定戦、決勝の再現が、一回戦で実現。
「事実上の決勝戦」と自ら語っていた桐谷は、惜しげもなく空中殺法を繰り出した。

桐谷の飛び技に対し、雨宮は、エルボー、ストンピングのラフファイトで反撃。
一進一退の攻防が続く中、桐谷は、高角度前方回転エビ固めで勝負に出る。
これが、雨宮を、カウント2.9まで追い込み、桐谷の勝利と勘違いする客までいた程、ギリギリのタイミング。

雨宮は、試合の主導権を、桐谷に奪われ続けるが、攻め込まれる中、強引にパイルドライバーを敢行。
二発連続で、桐谷をマットへ叩きつけ、3カウントを奪った。
逆転劇ではあるものの、力づくでの終わらせ方に、観客の反応も鈍く、敗者の桐谷へ歓声が送られる結果となってしまった。

○雨宮佑香(12分38秒 片エビ固め)桐谷かすみ×

第二試合:トーナメントAブロック一回戦 乙瀬深雪 VS ブラック・ハンザ


「トップへ浮上する為にも、このベルトは絶対に欲しい」と語っていた乙瀬。
初登場の外国人レスラーでは、今後のテーマも広がりづらい為に、勝利以外は必要ない試合といえる。
言葉通りの勢いを表す様に、乙瀬は、短期決戦狙い。蹴りの連打で、ハンザをKO寸前に追い込んでいった。

だが、最後の詰めを誤った。
乙瀬が、フォールの体勢へ入った瞬間、ハンザは体を入れかえ、背後から、胴絞めスリーパー。
乙瀬は、その場であがくものの、ロープへは、わずかばかりも近づけず。
失神を確認したレフリーが、試合を止めた。

×乙瀬深雪(06分24秒 胴絞めスリーパーホールド)ブラックハンザ○

第三試合:大石リナ&山吹響子 VS 松田琉菜&犀川あやめ


シード選手らによる、5分間のエキシビション・タッグマッチ。
「短すぎるー!」と声も飛んだが、四人は、ハイスピードなレスリングを展開。
松田と大石の対決は、短いながらも、濃密なものとなった。

△大石リナ&山吹響子(時間切れ引き分け)松田琉菜&犀川あやめ△

第四試合:トーナメントBブロック一回戦 白浜樹里 VS 若木真衣


全シリーズを席巻した白浜に対し、若木は、「KOで倒す」と意気込み充分。
だが、白浜は、突っ張りの様な張り手で、若木を突き飛ばし、その蹴りを、寄せ付けない。
予想外の戦法に、若木は試合のリズムを崩された。

試合を通し、白浜の力技に圧倒され続けた若木は、エアプレーンスピンの体勢で持ち上げられ、思い切り、放り投げられる。
マットへ叩きつけられた若木を、膝で押しつぶし、白浜が圧勝で、二回戦へコマを進めた。

○白浜樹里(08分33秒 体固め)若木真衣×

第五試合:トーナメントBブロック一回戦 葉月沙弥子 VS ナスターシャ


トーナメントの組み合わせ順とはいえ、シングルで、初のメインを飾った葉月。
対戦相手は、現役教師でもあるナスターシャ。その経歴ゆえか、メディアの数も、わずかながら多かった。
「半年前に、行われてたら、もっとページをさけたのに」と、口惜しげにつぶやく記者も。
葉月が、横回転の袈裟切りチョップを、序盤から繰り出すと、ナスターシャは高角度のドロップキックで対抗。
前評判と違い、意外と器用な面を見せた。

ドイツで、「青い鳥」と異名をとるナスターシャは、得意技の、ダブルニードロップを炸裂させる。
この技の動作から、異名も付けられたのだとか。
しかしながら、3カウント寸前で、葉月はキックアウト。何とか、フォール負けを逃れた。

互いに、それほど技数が無い為に、終盤は、体力の削り合いとなった。
フラフラになりながら、張り手合戦が展開されると、客席から声援が上がる。
勝利の女神を呼びこんだのは、最後まで持ち技を残していた葉月。
三角絞めを、リング中央で決め、ナスターシャからギブアップを奪うと、観客は大歓声。
シングル初メインながら、何とか、その大役を果たした。

○葉月沙弥子(13分47秒 三角絞め)ナスターシャ×