常夏シリーズ第三戦 ―2013年06月22日―
第一試合:桐谷かすみ VS 冬月弓
負傷した脚をかばい、前回の試合では、思うように動けなかった桐谷だが、この日は序盤から飛び技を解禁。
これに冬月も飛び技で対抗し、リング上を縦横無尽に動き回る展開となった。
最後は、一瞬の隙を突き、桐谷が高角度前方回転エビ固めで、3カウントを奪取。
冬月の処遇には迷う結果となったが、試合後、場内は拍手で包まれた。
○桐谷かすみ(12分29秒 高角度前方回転エビ固め)冬月弓×
第二試合:山吹響子&葉月沙弥子 VS 乙瀬深雪&若木真衣
開幕戦のシングルで完敗した若木は、山吹のグラウンドを徹底的に回避。
間合いを取りながら、蹴りでダメージを与えてゆく。
この作戦が功を奏したのか、若木のハイキックを、山吹は無防備のまま喰らい、仰向けにダウン。
レフリーは確認をするや否や、ゴングを要請し、山吹のKO負けが宣告された。
不調の続いていた若木であったが、力強い勝利で、開幕戦の借りを返すと共に、先輩越えにも成功。
トップ戦線へ入り込む寸前だった山吹は、まさかの敗北で、急ブレーキをかけられてしまった。
×山吹響子&葉月沙弥子(11分20秒 KO)乙瀬深雪&若木真衣○
第三試合:ザビーネ・クライバー&白浜樹里 VS 雨宮佑香&犀川あやめ
かつて一度だけ組んだ経験はあるものの、仲たがいにより、コンビの形をなさなかった、雨宮と犀川。
だが、今回は、共通の敵と言わんばかりに、白浜へ、互いが照準を合わせてゆく。
序盤は、白浜が一方的に攻め込まれる展開となった。
しかし、ドイツで学んだ、白浜のサブミッションが、この試合でも猛威をふるった。
雨宮が狙われ、対応できない状態が長く続く。
片羽絞めで、失神寸前まで追い込まれた。
レフリーの隙をつき、カットに入った犀川のお陰で、ギブアップ負けは逃れたものの、雨宮は、もはや戦闘不能に。
とどめのバックフリップを決められると、反応できないまま、3カウントを許してしまう完敗ぶり。
皮肉にも、前回、犀川と組んだ際と、同じ結果をさらしてしまった。
ザビーネ・クライバー&○白浜樹里(15分47秒 片エビ固め)雨宮佑香×&犀川あやめ
第四試合(メイン):松田琉菜 VS 大石リナ
二度目とある両者のシングル戦は、古典的な技の応酬から始まった。
前回は完敗を喫した大石と、調子を落としている松田。
どちらも負けられない状況ながら、重みのあるレスリングで、観客の目を引きつけてゆく。
松田が強引に持ち上げ、リバーススラムを決めた所から、試合が大きく動き出す。
フォールには行かず、松田は、大石が立ち上がるのを待った。
中腰になった大石の顎をめがけ、松田の蹴りが炸裂。
前回の試合で、ターニング・ポイントとなった場面の再現に、客席からは、大きなどよめきが起こった。
松田が強引に立たせようとした所を、大石は、とっさに相手の手を払い、回避。
「意識を失っていた」という大石だが、ここで続けざまに、回転首固めを決める。
松田は、3カウント寸前でキックアウト。客席からは、「(3カウントが)入っていた!」との声も。
機を逃さず、ロープへ跳んだ大石は、立ち上がろうとする松田の顔面をとらえ、ランニング式のパラダイス・ロスト。
大石自身も、バランスを崩すほどの勢いで、松田を吹き飛ばした。
最後は、大石のバックドロップが鮮やかに決まり、仰向けのまま動かない松田から、完璧な3カウントを奪取。
記憶があいまいとなっていた大石は、レフリーに何度も結果を確認。
これで、両者のシングル対決は、一勝一敗の五分となった。
×松田琉菜(12分23秒 体固め)大石リナ○