常夏シリーズ開幕戦 ―2013年05月25日(※2013年05月26日、録画放送)―
今日の為に新調したという背広へ身を包み、穏やかな表情で挨拶へ臨んだCEO。
「本日からのシリーズは、新しい船出のシリーズとも言える。新しいレフリー、海外修業から帰って来た者、エースとしての重圧を背負った者。そして、もうすぐ、御伽桟敷が誕生してから、一周年となる」
一周年という言葉出た時は、「気持ち悪い背広だなあ」と野次を飛ばしていた観客も、拍手で応える。
「新しい船出……僕は世界の王となった気分で、空を飛び……」
CEOは、ここで両腕を広げた。「まさか?」「今どき?」という声を気にすることなく、ただ一言、
「I can fly……」
客席から一斉に、「中身が、ごっちゃになってる」「腕を広げるのは、おめえじゃねえ!」「今ごろ観たのか?」と声援が飛んだ。
第一試合:山吹響子 VS 若木真衣
若木の動きそのものは、絶好調と言えた。
蹴りを何発も決め、山吹をダウンさせる事にも成功。
しかし、グラウンドに持ち込まれると、山吹から一方的に攻められてしまう。
最後は、肩固めを極められ、若木はギブアップ。
地力があるだけに、若木へは早急なグラウンドの習得が必要と思わせる内容だった。
○山吹響子(09分16秒 肩固め)若木真衣×
第二試合:松田琉菜 VS 葉月沙弥子 VS 冬月弓
シングルプレイヤーとして出直しを図る松田と、新人の葉月、研究生の冬月による、3wayマッチ。
冬月は、全ての試合で結果を出さねばならない所まで、追い詰められている。
試合は、葉月と冬月が協力して、松田を攻める展開に。
冬月のドロップキックに合わせ、葉月も、斜め下から飛びあがり、フロントキックを決める、「天使のキック」を初披露。
しかし、当たらず。
葉月と冬月の連携が続くかと思われたが、松田の反撃が始まると、葉月は攻撃の矛先を変える。
ここから、冬月が攻められる展開となった。
背後から松田のショルダータックルでバランスを崩した所を、葉月の、横回転式袈裟切りチョップをカウンターで喰らう。
そこから葉月へ強引に押さえ込まれ、松田が静観する中、冬月は3カウントを聞いてしまった。
3wayとはいえ、葉月は自らの手で、先輩越えを達成。
○葉月沙弥子(08分22秒 片エビ固め)冬月弓×
第三試合:雨宮佑香&ザビーネ・クライバー VS 大石リナ&乙瀬深雪
先シリーズで松田を破り、エースの座を確保した雨宮は、ザビーネとタッグを組んだ。
タッグながら、「大石さんからフォールを取りたい」と、気合十分の雨宮。
しかし、この中で埋もれがちな印象の乙瀬は、あて馬にはならないと、蹴りでザビーネを倒しにかかる。
乙瀬の蹴りに対し、ザビーネは寸前でかわすものの、何発かは強めの蹴りを喰らってしまう。
それでも、両者の攻防に、序盤から拍手が起きた。
雨宮は、大石狙いのつもりだったが、何故か気合が空回りし、攻めきれず。反対に、大石が圧倒する形となった。
「心理的に、大石へ、苦手意識を持っているのでしょう」とザビーネは試合後に語る。
オクトパス・ホールドまで決められ、思わず、ザビーネがカットに入るほどだった。
最後は、ザビーネのエルボーから、雨宮のスタナーと連携を見せ、乙瀬からフォールを奪取。
チームの面目は保ったものの、「雨宮は大石より弱い」という印象を与える結果となってしまった。
○雨宮佑香&ザビーネ・クライバー(15分50秒 片エビ固め)大石リナ&乙瀬深雪×
第四試合(メイン):白浜樹里 VS 犀川あやめ
ドイツから帰国した白浜の凱旋試合。肉体改造へも着手したという白浜は、上半身に、たくましさを増していた。
鍛えた体を誇示する様に、序盤からフロントキックで、犀川を吹き飛ばす。
白浜のパワーに、あらためて観客は驚きを見せた。
松田のもとから独立し、再びエースの座を狙いたい犀川は、フットワークと蹴りで、白浜を翻弄する。
延髄切りを喰らうと、さすがに白浜もダウン。ヒット&アウェイ作戦で、犀川はダメージを蓄積させてゆく。
修業の成果を見せる為にも、負けられない白浜は、ドイツで覚えたサブミッションを披露。
ザビーネ直伝の片羽絞めで、犀川の動きを止めた。
白浜のサブミッション攻撃で、予想外のダメージを負った犀川は、反撃する力も残っておらず。
軽々と持ち上げられると、アルゼンチン・バックブリ―カーで追い立てられる。
もはや動けない犀川は、弱々しくギブアップを告げた。
これまでも、白浜が犀川から勝利を奪った事はあったが、まるで犀川が格下に見えた試合となった。
○白浜樹里(13分57秒 アルゼンチン・バックブリ―カー)犀川あやめ×