春さるシリーズ開幕戦 ―2013年01月26日―
派手な火花のシャワーと共に現れた、CEOと秘書の二人は、サングラスを着用。
「ターミネーター?」「マトリックス?」「今さら……?」
観客が混乱をし始める、驚異の演出で、2013年の初シリーズは幕を開けた。
「皆が住んでいる、この世界は、仮の世界かもしれない……」
特殊照明の中、CEOが語り出すと、「やっぱりマトリックスかよ」「エージェント・スミスか」「だっせー」、客席は騒然。
「君たちに、真実の世界を見せてあげよう」
呆気にとられる観客を後にし、CEOはリング上から去って行った。
第一試合:白浜樹里 VS 山吹響子
2013年、最初の試合は、白浜と山吹のシングル戦。
去年と変わらぬ力強さを見せる白浜は、タックルやフロントキックで、山吹を追い詰める。
だが、隙をついて山吹は、相手の片足を押し込む形で、エビ固め。これが、ガッチリと決まり、3カウントを奪取した。
山吹は、白浜相手に初勝利。
×白浜樹里(8分38秒 エビ固め)山吹響子○
第二試合:葉月沙弥子 VS 若木真衣
いよいよ、御伽桟敷二期生がデビュー。大会前から、盛んに宣伝をしただけに、期待のかかる二人。
若木は、学生空手で結果を残し、犀川の後輩という事もあり、既に評価は高い。
葉月は、会社側が積極的に売り出そうとしており、他メディアからも、一件の取材申し込みがあった。
試合は若木のペースで進む。空手の試合でも得意にしていた、ローキックで、葉月の動きを封じこんだ。
葉月も、必死に反撃を試みる。近距離での、フライング・クロスチョップなど、トリッキーな動きが目についた。
最後は、若木の逆片エビ固めで、葉月がギブアップ。
ローキックを何発も受け、脚を痛めていた葉月は、ロープへ逃れようとしたが、耐えきれなかった。
×葉月沙弥子(6分13秒 逆片エビ固め)若木真衣○
第三試合:大石リナ VS 冬月弓
大石と闘う為に、御伽桟敷へやってきた冬月だが、開幕戦で、いきなり実現。
マニアには知られた存在であるが、この勝利をきっかけに飛躍したいと述べていた冬月は、積極的に攻めてゆく。
三日月蹴りと呼ばれる、得意技の飛び後回し蹴りを、序盤から繰り出した。
冬月の攻撃を受けきった大石は、中盤過ぎ、ローリング袈裟切りチョップの奇襲。
予想外の技を受けた為か、冬月はダウン。これ以降、動きが鈍り、大石に試合の主導権を奪われてしまう。
オクトパス・ホールドが決まると、冬月は、あっさりとギブアップ。
結局は、大石が、普段通りの試合展開を見せ、危なげなく終わらせた。
注目された一戦だっただけに、決着後、客席の何人かが、冬月へブーイングを送った程であった。
○大石リナ(12分57秒 オクトパス・ホールド)冬月弓×
第四試合(メイン):桐谷かすみ&雨宮佑香 VS 犀川あやめ&乙瀬深雪
今シリーズのポスター中央に、大きく置かれた、「初音御前」の桐谷かすみが、メインに登場。
トーナメントで決勝を争った雨宮と、タッグを組み、犀川、乙瀬チームと真っ向勝負。
ダイビング・セントーンを決めるなど、中盤までチームワークが上回ったのは、桐谷と雨宮だった。
だが、乙瀬の飛び膝蹴りが、雨宮を直撃すると、試合展開は一変。
この膝蹴りで、半失神状態となった雨宮は、防戦一方となる。
犀川と乙瀬のチームワークも、ここから上昇。雨宮が、完全に孤立した。
犀川に三角絞めを決められると、雨宮は弱々しく、タップアウト。
開幕戦で、エースが完敗という、波乱の幕開けながら、再び犀川も、エース戦線に返り咲いた一戦となった。
桐谷かすみ&×雨宮佑香(16分40秒 三角絞め)犀川あやめ○&乙瀬深雪